口角炎
口の両端を口角といいますが、口角炎とは、口角に炎症が起き、口角がただれだり、亀裂が入ったり、かさぶたができることをいい、口角びらんとも呼ばれます。口を大きく開けると口角が裂け、痛みを伴います。また、かさぶたを無理に剥がすと、出血することもあります。口角は、唇の両端で、口の中の粘膜とつながった状態です。そのため、唾液が浸透しやすく、他の皮膚に比べてふやけやすい部分です。口角炎は、口角の皮膚が唾液によりふやけ、そこに様々な原因がプラスされて引き起こされます。口角炎の原因は、以下のようなことなどがあげられます。
●カンジダや細菌、ウィルスの感染
●ビタミン不足
●よだれが出ていたり、唇を舐める癖がある
●身体の抵抗力を低くする、糖尿病や貧血、悪性腫瘍などの基礎疾患がある
カンジダが原因の場合、カンジダが口角に増殖することで起こり、白い苔のようなものが付着したり、ただれがあります。細菌では、ブドウ球菌や連鎖状球菌の感染によるものがほとんどで、黄色のかさぶたができたります。ウィルスは、ヘルペスウィルスによるもので、一般的には子供に多く、ヘルペス性口内炎が起きてから口角炎が起こります。大人の場合は、口角炎だけが起こるようです。ビタミン不足は、口角炎だけでなく、口内炎の原因ともされていますが、特に、ビタミンB2の欠乏が口角炎の原因とされています。乳幼児では、よだれが多いことが原因で口角炎になることがあります。また、唇を舐める癖がある人は、口角が常に湿った状態になるので、口角炎になりやすくなります。
口角炎の治療は、カンジダや細菌による口角炎では、抗真菌剤や抗生物質が含まれる軟膏を使用します。ビタミン不足であれば、ビタミン剤を使い、唇を舐める癖が原因の場合は、癖を改善するように注意します。口角炎の症状が軽い場合は、市販されている口角炎の治療軟膏などで、治すことができます。また、ビタミン不足を補うために、市販のビタミン剤を飲むことも良いでしょう。身体の抵抗力を低くする基礎疾患がある場合、口角炎を長期化させる可能性がありますので、注意が必要です。