口内炎の予防策

口内炎の予防策

口内炎は、口の中を誤って噛んでしまったり、体力が低下していたり、栄養不足などによって容易に出てきてしまいます。一般的なアフタ性口内炎は、できてしまってから、栄養バランスや体力の回復に気をつけて生活をしていれば、1週間〜2週間ほどで治ってきます。しかし、2週間以上しても口内炎が落ち着いてこなかったり、痛みがひどい場合は、病院で診察を受け、原因を調べてもらうことが大切です。病院で診察といっても、何科を受診すればよいのでしょうか?

 

口の中の粘膜の病気ですから、皮膚科や歯科を考える人は多いと思います。しかし、口内炎になった場合、耳鼻咽喉科が専門といわれています。また、皮膚科や歯科、口腔外科、内科などでも口内炎を診てくれる場合があります。また、専門といっても、全部の耳鼻咽喉科で口内炎を診察してくれるわけではありません。近くの耳鼻咽喉科、皮膚科、歯科、口腔外科、内科などには、口内炎の診察をしているかどうか、前もって確認をしておく必要があります。

 

口内炎の治療は、基本的には対処療法です。口内炎の部分に副腎皮質ホルモン剤などのステロイド剤を含む軟膏を塗ります。軟膏は、取れにくくなってはいますが、口の中なので、どうしても短時間でとれてしまい、1日に何度も患部に塗りなおすことが早く治すためにも大切です。また、口の中には多数の雑菌が存在しますので、口の中を清潔に保ち、イソジンなどのうがい薬でうがいをすることも大切です。

 

口内炎の原因が、カンジダやヘルペスなどはっきりしている場合は、抗菌剤やヘルペスウィルスを抑える薬を使用します。基礎疾患がある場合は、基礎疾患の治療をおこないます。最近では、口内炎の治療に、レーザー治療がおこなわれることがあります。口内炎にレーザーを照射し、焼くことで、痛みが軽減され、早く治るといわれています。口内炎は、重大な病気が隠れていることもありますので、症状が長引いたり、痛みがひどいときは、口内炎の治療に対応している病院で診察を受けましょう。

口内炎で病院を受診すると、ステロイド剤を含んだ口腔用の軟膏を塗ってくれ、同じ薬を自宅で塗れるように、処方薬で出してくれます。また、病院によっては、痛み止めの飲み薬や殺菌作用のあるうがい薬を出してくれるところもあります。口内炎の薬は、病院で処方されるものの他にも、ドラッグストアなどで多くの薬が市販されています。市販されている口内炎の薬には、大きく分けて飲み薬、軟膏、貼り薬が主流です。飲み薬は、「チョコラBB」や「キュティナ」、「ハイシー」などがあり、「肌荒れ・にきび・口内炎」が一緒になっています。口内炎は、ビタミン不足が原因のひとつとされており、口内炎に効く飲み薬のほとんどは、ビタミンB2が主体となり、ビタミンB6やビタミンB1などを含みます。また、肉体疲労や、体力低下、妊娠・授乳期のビタミン補給にも効果があります。

 

市販されている、口内炎に効く軟膏には、病院で処方される薬と同じ成分のものも多数販売されています。病院で処方される軟膏はステロイド剤が含まれているものですが、市販されている軟膏にも、「ケナログ」や「アフタゾロン」などのステロイド剤が含まれているものがあり、口内炎にとても効果があります。しかし、ステロイド剤を含んでいますので、長期的に使用することに注意が必要です。また、「サトウ口内軟膏」や「大正口内軟膏」などの、非ステロイド性の軟膏も多く市販されています。

 

口内炎治療の軟膏を塗るときは、口内炎の部分の唾液をティッシュなどでふき取り、軟膏を塗ります。軟膏は、口内炎の表面に膜を作り、患部を保護しますので、痛みが和らぎます。口内炎の軟膏は、付着する性質のものが多く、剥がれにくくなっていますが、実際は、短時間で剥がれてしまうことが多いようです。口内炎の治療という面では、軟膏の方が良いですが、保護の面では、貼り薬の方がおすすめです。口内炎の貼り薬は、シールタイプと錠剤タイプが主流です。シールタイプは、パッチとも呼ばれ、片面に薬剤が含まれており、口内炎の部分の唾液を拭き取ってから指で数秒間押さえると付着し、口内炎の表面をカバーします。錠剤タイプも同様で、付着した後にゼリー状に膜を作り、口内炎表面をカバーします。貼り薬にもステロイド剤と非ステロイド剤のものがあり、ステロイド剤を含むものには、「アフタシール」や「アフタッチ」、非ステロイド剤のものは、「口内炎パッチ大正A」などがあります。

 

貼り薬の中では、錠剤タイプよりも、シールタイプの方が保護力はあるといわれていますが、薄いプラスチックのような触感がありますので、貼る場所によっては、違和感を感じたり、話しにくかったりすることがあります。これらの他にも、しみにくい液体タイプや手軽なスプレータイプ、口内炎に効果のあるうがい薬などいろいろな薬が市販されています。それぞれに、メリット・デメリットがありますので、お店の人に相談するなどして、自分に合った薬を探してみてはどうでしょうか?また、口内炎が定期的にできたり、治りにくいなどの場合、重大な疾患が隠れていることもありますので、病院で診察を受けましょう。

口内炎を予防するには、口内炎の原因になることを防ぐ必要があります。口内炎の原因には、ビタミン不足、体力低下、誤って噛むなどの事故、口の中が不衛生などがあげられます。ビタミン不足を防ぐために、ビタミンを摂取することはもちろんですが、バランスの取れた食事を摂ることも大切です。ビタミンは、野菜や果物に多く含まれています。特に緑黄色野菜を積極的に摂るように心がけましょう。ビタミン剤などの、医薬品やサプリメントを使用するのも良いでしょう。

 

体力の低下は、仕事による疲労やストレス、睡眠不足などにより起こります。特にストレスは、口内炎だけでなく、いろいろな病気の要因になります。ストレスをためることで、免疫力に影響を及ぼし、不眠になる場合もあります。なかなか、ストレスゼロの生活を送ることは困難ですが、定期的にストレスを発散させることが大切です。また、夜更かしは避け、規則正しい生活を送るように気をつけましょう。

 

口の中に傷を作ってしまうと、そこから口内炎になることは、よくあることです。入れ歯や矯正器具の不具合や虫歯で歯に鋭い部分があるなどで、口の中を傷つけてしまう恐れがある場合は、原因を改善する必要があります。入れ歯や矯正器具は、調整してもらったり、虫歯はきちんと治療しましょう。また、歯ブラシで傷をつけてしまう場合もありますので、正しいブラッシングを身につけましょう。口の中は、普段から雑菌がたくさんいます。普段から口の中を清潔に保つことは、口内炎の予防になります。食後は必ず歯磨きをし、イソジンなどの殺菌剤でのうがいが効果的です。また、唾液の分泌量が少ないと、口の中が乾きやすくなり、口内炎になりやすいといわれていますので、水やお茶をこまめに摂り、口の中を潤したり、唾液分泌増進の口や舌の体操をするなどの対処をしましょう。

 

また、これらの他にも、タバコやアルコールなど、口の中に刺激を与えますので、口内炎が出ている間は避けましょう。口内炎は、一度なってしまうと、治療や体質によって個人差はありますが、辛い時期があるのは確実です。口内炎にならないようするために、予防を心がけることは大切です。