ガンと口内炎
ガンになると、治療の副作用として口内炎を発症する場合があります。ガンの治療には、放射線療法や化学療法というものがあり、これらは口内炎ができる原因とされています。放射線治療は、手術のように、身体にメスを入れ、ガンに侵された臓器を摘出することなく、放射線を照射することで、ガンとガンの周辺の治療をおこないます。放射線治療の副作用には、全身疲労や食欲減退、貧血などがあり、口内炎が発症しやすい状態になります。また、口の中や咽喉、食道、耳や鼻などに放射線治療をおこなった場合、唾液の分泌が少なくなり、口の中が乾燥したり、味覚異常などの症状が現れ、口内炎になる場合があります。
化学療法は、薬物療法のひとつで、主に抗がん剤のことをいいます。抗がん剤治療とは、抗がん剤を飲み薬や点滴などの注射で全身に行きわたらせ、身体の中にあるガン細胞を、治療する方法です。抗がん剤は、薬の効果に対して、副作用が強く出るといわれています。副作用には、嘔吐や脱毛、肝機能や腎機能の障害などがあります。抗がん剤の投与によって、ガン細胞と同様の、早いサイクルで細胞分裂をしている口の中の粘膜にも反応しやすく、また、抗がん剤の副作用で感染を防ぐ白血球の数が減少し、口の中で細菌感染を起こしやすくなり、口内炎になる場合があります。
口内炎は、抗がん剤によるものは、薬を投与して5日前後くらいに、放射線治療によるものは、照射開始後15日前後から発症しやすくなるといわれています。ガン治療の副作用による口内炎は、抗がん剤治療をしている患者の約4割に発症するといわれ、比較的多くの患者を苦しめています。抗がん剤の治療は、嘔吐や貧血などの強い副作用によって、体力が消耗されます。一度口内炎を発症すると、治療には時間がかかり、症状が悪化すると、ガンの治療を抑えたり、場合によっては中止しなければならないこともあります。口の中にもガンができることがあります。口の中のガンの初期症状は、口内炎のような症状が現れることがあります。口内炎の治療を適切におこなっているのに、2週間以上しても治らない場合は、ガンも疑われますので、病院で診察を受けることが大切です。