ベーチェット病と口内炎

口内炎は、ベーチェット病の主な症状のひとつで、ほとんどの患者が口内炎を発症します。ベーチェット病とは、アフタ性口内炎、外陰部の潰瘍、眼症状、皮膚症状を主症状とする全身性の炎症性疾患で、日本の特定疾患に指定されており、はっきりとした原因はわかっていません。20代〜30代に発症しやすく、また、女性より男性の方が、症状が重症になりやすいといわれています。ベーチェット病による口内炎は、アフタ性口内炎で、口腔内アフタ性潰瘍ともよばれています。ベーチェット病の口内炎は、ベーチェット病の初めての症状として出てくることが多いといわれています。口内炎自体は、発症して10日ほどで治りますが、再発を繰り返すことが特徴といえます。

 

ベーチェット病の口内炎以外の主な症状には、外陰部の潰瘍、眼症状、皮膚症状などがあります。外陰部の潰瘍は、男性は陰のう、陰茎、亀頭に、女性は、大小陰唇、膣粘膜などに潰瘍ができ、痛みを伴います。眼症状は、眼球全体を包むように広がっているぶどう膜の炎症(ぶどう膜炎)が主に現れます。突然視力が低下し、短期間で回復するぶどう膜炎は、繰り返すうちに視機能が低下していき、最悪の場合、失明することもあります。皮膚症状は、結節性紅斑という、盛り上がった赤い発疹やにきびのような発疹などがでてきます。

 

疲労やビタミン不足などでできる、一般的なアフタ性口内炎と、ベーチェット病によってできるアフタ性口内炎は、見た目では区別をつけることは困難です。しかし、ベーチェット病の場合は、アフタ性口内炎が治っても、再発を繰り返したり、また、口内炎だけでなく、外陰部に潰瘍ができたり、皮膚に紅斑がでるなどの身体の他の部分にも症状が現れてきます。アフタ性口内炎の治療をしていても、再発を繰り返す場合は、病院で診察を受けましょう。